トイプードルのくるくるとカールした被毛をキレイに保つためには、毎日のブラッシングが必要です!…が、嫌がられて困っていませんか?
僕の愛犬もブラッシングを嫌がり…トリミングのたびに毛玉料金が発生し…飼い主として不甲斐ない気持ちになったことを今でも覚えています。
しかし、本記事でご紹介する「5つの対処方法」を継続して実践したところ、今では嫌がらずにお利口に待てるようになりましたよ(もちろん毛玉料金なし)。
ブラッシングは健康を維持する重要な役割も担っているため、トイプードルとの生活から切り離すことはできません。
本記事を読んで、ブラッシングを「嫌がられる作業」から「大切なスキンシップ」に変えてしまいましょう!本記事から得られる知識はこちら。
- ブラッシングを嫌がる場合に試したい5つの対処方法がわかる。
- トイプードルにブラッシングが必要な理由がわかる。
- ブラッシングに必要な道具がわかる。
- 愛犬の気持ちを考慮したブラッシング方法がわかる。

【自己紹介】 生まれた時から犬がいる環境で育ち、犬が大好き。あなたの愛犬が元気に長生きできるように、心を込めて記事を作成しています(詳細プロフィールはこちら)。
【所有資格】 1.SAE認定「犬の管理栄養士マスター」2.ペットフード協会認定「ペットフード販売士」3.JCSA認定「ドッグトレーナープライマリーライセンス」


本編が始まるよ!
ブラッシングを嫌がる場合の5つの対処方法
僕も以前は、愛犬にブラッシングを嫌がられて困っていました。
しかし、これから解説する「5つの対処方法」のおかげで、愛犬に嫌がられることなくブラッシングができるようになりましたよ(実際にはもっといろいろな方法を試しましたが、おすすめしたいと思える5つに絞りました)。



5つもあるの?どれから始めればいいのかな?
試して欲しい順番に並べていますので、ひとつひとつクリアしていきましょう!
- 方法1:スリッカーブラシへの警戒心を解く。
- 方法2:ブラッシングに楽しい・嬉しい印象を持たせる。
- 方法3:使い終わったスリッカーブラシは必ず片付ける。
- 方法4:歯磨きガムでスリッカーブラシから気を逸らす。
- 方法5:愛犬と楽しく遊んでエネルギーを発散させる。


方法1:スリッカーブラシへの警戒心を解く
ブラッシングを嫌がる理由として、スリッカーブラシ(以下「ブラシ」と呼ぶ)を怖がっている・警戒している可能性があります。
さりげなく愛犬の隣にブラシを置いてみましょう。
ブラシに悪い印象を持っている場合は、嫌がる・吠える・逃げるなどの行動をとります。
僕の愛犬が子供の頃は、逃げて遠くから様子を伺っていましたよ。



僕はどうやって克服したんだっけ?
愛犬の大好きなご褒美(おやつ)を用意し、ブラシと一緒に持ちましょう(ブラシとご褒美は別の手で持ちましょう)。
ブラシは近づけず(動かさず)にご褒美をあげます。


ブラシを気にしながらもご褒美を食べてくれたら、心から褒めてあげましょう。
そして、ご褒美を食べている間に愛犬の見える範囲にブラシを置いてみてください(いきなり愛犬の近くには置かずに、初めは遠くに置いてみましょう)。
これを繰り返すと、以下の2点を学習し、徐々にブラシを警戒しなくなります。
- 飼い主さんがブラシを持つとご褒美がもらえる。
- ブラシが近くにあっても危害を加えてこない。
ブラシに慣れることはブラッシングの第一歩です。
時間がかかるかもしれませんが、慣れるまで気長に付き合ってあげてくださいね。



方法1をクリアできたら、方法2へ進みましょう。
方法2:ブラッシングに楽しい・嬉しい印象を持たせる
過去にブラッシングで痛い思いをしたために、嫌な印象を持っている可能性があります。
針金がついている面とは逆の面でブラッシングをしてみましょう(方法1でブラシへの警戒心が解けたら挑戦してみてくださいね)。
被毛をキレイにすることが目的ではなく、「ブラシが身体に触れても大丈夫だよ!痛くないんだよ!」と、教えてあげることが目的です。


そして、ブラッシングの印象を「痛い」から「楽しい・嬉しい」へ上書きするために、ブラシの逆の面で1回なでるごとに、心から褒めてご褒美をあげましょう。
逆の面でのブラッシングを嫌がらなくなったら、針金の面でのブラッシングに挑戦してみてくださいね(もし嫌がったら、逆の面でのブラッシングに戻しましょう)。



1、2回だとしても、針金の面でブラッシングさせてくれたら上出来です。たくさん褒めてあげてくださいね。
方法3:使い終わったスリッカーブラシは必ず片付ける
ブラッシングしようとすると、ブラシに噛みつこうとしませんか?
嫌がっている可能性もありますが、ブラシをおもちゃだと思っている可能性もあります。
試しにブラシを床に置いてみましょう。
嫌がっている場合は警戒しますが、おもちゃだと思っている場合は、楽しそうに噛んだり振り回したりして遊び始めます(様子が確認できたら、すぐに取りあげましょう)。



僕の愛犬もブラシをおもちゃだと思っていました…。僕の失敗談をお話ししますね。
愛犬が「ブラシへの苦手意識」を克服できるように、あえて愛犬の手が届く位置にブラシを置くようにしていました(方法1、2の頃)。
これが失敗の始まりです…。
方法1、2のおかげでブラシへの警戒心がなくなった頃、自分からブラシを持ち出して噛んで遊ぶようになりました。
当時は、「ブラシへの苦手意識を克服!」と喜んでいました…が!いざ、ブラッシングをしようとブラシを手に持つと、愛犬の「遊びスイッチ」が入るようになってしまったのです(ブラシを噛もうとして大暴れでした)。



ブラシで遊ぶと褒められたから、おもちゃだと思っちゃった!
ブラシをおもちゃだと思われないように、不要な時は片付ける習慣をつけましょうね(もちろん、今からでも遅くないですよ)。


方法4:歯磨きガムでスリッカーブラシから気を逸らす
愛犬がブラシを追って動いてしまい、「ブラッシングが捗らない!」というパターンもありますよね(方法3でお話ししたように、ブラシをおもちゃだと思っている場合など)。
この場合は、大好きなおもちゃやご褒美で、ブラシから気を逸らしてあげましょう。
僕は、歯磨きガムで愛犬の気を逸らし、その間にブラッシングをしていました。
ただし、以下の3点に注意してくださいね。
- 食事中の愛犬に触れるため、嫌がられる・威嚇される可能性がある。
- ご褒美(歯磨きガムなど)が毎回必要になるため、コストがかかる。
- 全身をブラッシングするほどの時間を稼ぐことはできない。
僕の愛犬は、歯磨きガムの中でも「チューデント スティック かため」が大好きです。
参考:Hartz チューデント スティック
1袋約20本入り※1なので、1本あたりのコストは…
※1 正確に「20本入り」とは書いてありません。実際に数えたところ、19本入り、21本入りと様々でした。
432円※2 ÷ 20本 ≒ 22円
※2 … 僕が店頭で購入している価格です。店舗により異なる可能性がありますのでご了承ください。



1日あたり22円なら許容範囲内かな(僕のおやつを節約しよう…)。
ちなみに、歯磨きガムを購入する際は、「かため」や「ハードタイプ」がおすすめです。
「やわらかめ」や「ソフトタイプ」だとすぐに食べ切ってしまい、ブラッシングをはじめても「もう食べちゃったの?」となるためです(「かため」でも全身は難しいです)。
ただし、愛犬がシニア期になり「顎の力が弱くなったかな?」と感じたら、やわらかめを買ってあげましょうね。
方法5:愛犬と楽しく遊んでエネルギーを発散させる
方法1〜4を実践しても愛犬が暴れてしまう場合は、愛犬のエネルギーが有り余っている可能性があります。
愛犬がエネルギーを使い果たすくらい一緒に遊んであげましょう。
子犬や成犬のエネルギーを毎日消費させることは簡単ではありませんが、5つの対処方法の中でダントツでおすすめです。



遊び疲れてブラッシングの時に暴れなくなるから?
もちろん、それも正解です。
しかし、僕がおすすめする最大の理由は、「遊びを通じて愛犬との信頼関係を築くことができる」からです。
時間はかかりますが、信頼関係を築くことができれば、エネルギーが有り余っている時だって静かにブラッシングに協力してくれますよ。
このため、方法4のように「愛犬が歯磨きガムを食べ終わる前に急いでブラッシングしないと!」という焦りからも開放されます。


ただし、あなたも心から楽しんで遊ぶことが絶対条件です。
犬は人間の言葉をすべて理解したり話したりすることはできませんが、表情や声のトーンから感情を読み取ることができます。
あなたが楽しそうに遊んでくれると、愛犬も楽しいし嬉しいのです(あなたが友人と遊んでいる際、友人が退屈そうだと楽しくないですよね。愛犬も同じです)。
楽しい・嬉しい時間を共有し、積み重ねることで信頼関係は築かれていきます。
今回は、ブラッシングを嫌がられた場合に試して欲しい方法としてご紹介しましたが、方法5はそれ以上の恩恵を受けることができますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。



5つの対処方法を解説させていただきました。次章では「そもそも、なぜブラッシングは必要なの?」との疑問にお答えしますね。
トイプードルはブラッシングが必須な理由
トイプードルの毛は、他の犬種と比較すると柔らかくて細く、毛がもつれやすいという特徴があります(毛が束のようにまとまり始めます)。
ブラッシングをせずにこのまま放置すると…健康を脅かす「毛玉」ができてしまうのです!



健康を脅かす…ぼくはどうなっちゃうの?
例えば…
- 毛玉ができると皮膚が引っ張られて痛い。
- 毛にゴミや埃が埋れて皮膚炎になる(不衛生のため)
- 毛玉にノミやダニが潜り込んでしまう。
- 毛玉が原因で通気性が悪くなり蒸れてしまう。
- 皮膚トラブルを早期に発見することができない。
大切な愛犬の健康を維持するために「毎日」ブラッシングをしてあげましょう。


- 補足情報
- トイプードルの赤ちゃんの毛はもつれにくいですが、ゴミや埃を取り除いたり、皮膚の状態を確認するためにも、生後3ヶ月頃からブラッシングをしてあげましょう。
ブラッシングに必要な3つの道具
トイプードルのブラッシングには以下3つの道具を用意しましょう。


スリッカーブラシ


毛のもつれや毛玉をほぐすことができる金属製のブラシです。
ソフトタイプとハードタイプの2種類がありますが、トイプードルにはソフトタイプがおすすめですよ(ソフトとハードの違いは「ピンの固さ」です)。



ハードは毛玉をほぐしやすいけど、肌を傷つけてしまう可能性があります。
※サイズはSSとS、Mがあります(僕はSサイズ)。
コーム


毛を梳かしたり、毛のもつれや毛玉がほぐれたことを確認するためのクシです(プラスチック製も売っていますが、静電気が起こりやすいのでおすすめしません)。
写真のように歯の密度が2種類(粗目と細目)ある場合は、粗目を使いましょう。



ステンレス製は錆びないのでおすすめですよ。
※サイズはSとMがあります(僕はSサイズ)。
ご褒美用のおやつ


ブラッシングを頑張った愛犬へのご褒美は絶対に欠かせません。
ブラッシングに慣れるまでは高頻度であげるため、食べ過ぎ予防のために小粒のご褒美がお勧めです(僕は「国産・無添加 鶏ささみ小粒」をあげています)。



ご褒美がもらえるとブラッシングが好印象になるよ!
トイプードルのブラッシング方法
ブラッシングの流れを5つのSTEPに分けて解説しますね。
- STEP1:愛犬を落ち着かせる
- STEP2:大きな毛玉をほぐす
- STEP3:ブラッシングする
- STEP4:コームで最終確認する
- STEP5:心から褒めてご褒美をあげる
STEP1:愛犬を落ち着かせる
お利口にブラッシングができるように、愛犬を優しく撫でたり抱っこしたりして落ち着かせてあげましょう。
「ブラッシングを嫌がる場合の5つの対処方法」でご紹介したように、愛犬と楽しく遊んでエネルギーを発散させてあげる方法も効果的でおすすめです。
愛犬の性格によって様々な方法がありますが、僕の愛犬は、膝の上に仰向けにすると落ち着きます(強制的に仰向けにされることを嫌がる犬もいますので注意してくださいね)。
また、STEP2以降でいきなりブラッシングするとびっくりさせてしまう可能性があるため、STEP1でブラシを見せてあげることも大切です。


STEP2:大きな毛玉をほぐす
ブラッシングをする前に、先ほど紹介した「毛玉ができやすい場所」を中心に大きな毛玉がないかチェックしましょう。
毛玉を見つけたら、優しく手でほぐしてあげましょう。
ほぐれない場合は、ハサミで切り込みを入れるとほぐしやすくなりますよ。
ただし、ハサミを怖がって動いてしまう可能性がありますので、細心の注意を払って慎重に行いましょう(愛犬はあなたの行動(ハサミを持った等)をよく見ていますよ)。





なんでブラッシングよりも先に毛玉をほぐすの?
ブラッシングで毛玉を引っ張ってしまうと、「ブラッシング=痛くて嫌なこと」と印象付けてしまう可能性があるためです(人間だって髪の毛を引っ張られたら痛いし嫌ですよね)。
このため、大きな毛玉は先にほぐしてあげましょう。
STEP3:ブラッシングする
スー…っとブラシで梳かすのではなく、スッスッスッと短いストロークを何度も繰り返してほぐすようにブラッシングしましょう。
毛の表面のみではなく、毛の根元付近もほぐれるようにブラッシングすることを意識してみてくださいね。
ただし、ブラシで地肌を引っ掻かないように注意しましょう(特に耳やしっぽの皮膚は薄いので「ブラシ負け」しやすいです)。
ブラシを持っていない方の手で毛をかき分け、根元や地肌を目視するとブラッシングしやすいですよ。



ブラシで引っ掻くと結構痛いです。自分の皮膚に当てて確かめてみましょう。
また、ブラッシング中に少しでも引っかかりを感じたら、すぐにストップしてブラシを愛犬の身体から離しましょう。
引っかかった部分にはもつれか毛玉がありますので、決して強引に引っ張らずに、優しく手でほぐしてあげましょう(引っ張って痛みを与えることで、苦手意識を持たれてしまいます)。
ブラッシングが終わった時だけでなく、ブラッシング中も褒めながらご褒美をあげましょう。
STEP4:コームで最終確認する
もつれと毛玉をほぐすことができたか、コームを使って最終確認します。
皮膚に対してコームを斜めに入れて、手前側に引いてみましょう。
コームがスー…っと抜けない場合は、もつれか毛玉が残っているため、すぐにストップして優しく手でほぐしてあげてください。



コームがスー…っと抜けるまで繰り返しましょう。
STEP5:心から褒めてご褒美をあげる
ブラッシングが終わった後の達成感や満足感から、愛犬へのご褒美を忘れてしまう方もいますが、愛犬もあなたと同じくらい頑張りましたよ。
ブラッシングをすると「ご褒美がもらえる」と覚えてもらうためにも、忘れずに心から褒めてご褒美をあげましょう。
ご褒美はおやつに加えて、フリスビーやボール遊びなど身体を動かす遊びもおすすめです。
ふわふわで可愛く健康な状態を保とう!
今回はトイプードルがブラッシングを嫌がる場合に試したい5つの対処方法と、ブラッシングの基本について解説させていただきました。要点をまとめますね。
- ブラッシングを嫌がる理由を理解し段階的に慣れさせよう。
- ブラッシングを怠ると健康を脅かす「毛玉」ができてしまう。
- ブラッシングにはスリッカーブラシ、コーム、ご褒美が必要。
- ブラッシングは愛犬に痛みを与えないことが最重要。
- ブラッシングを頑張った愛犬には必ずご褒美をあげよう。
犬は感情を持った生き物ですので、ブラッシングを嫌がる理由が必ずあります。
その理由を言葉で伝えることはできませんが、表情や態度で必死に伝えようとしていることに気付いてあげてください。
そして、克服できるまで付き合ってあげましょう。
その際、今回ご紹介した「ブラッシングを嫌がる場合に試したい5つの対処方法」がお役に立てればとても嬉しいです。
トイプードルの可愛さと健康を保つためには、毎日のブラッシングが欠かせません。
もちろん、愛犬がシニア期になってからもずっと必要ですので、ブラッシングを「嫌な作業」から「大切なスキンシップ」に変えてあげることはとても大切なことです。



「嫌な作業」のままだと毎日ストレスを感じちゃうよ!



時間がかかっても、諦めずに付き合ってあげましょう。

