愛犬が「食べてはいけないもの」と「食べてしまった時の対処方法」が知りたいな!
人間には無害だとしても、わんちゃんにとっては中毒を引き起こす危険な食材はたくさんあります。可愛い愛犬が「おいしいね!」と喜んで食べていたのに、その後に悲劇が起きるなんて絶対に嫌ですよね。
玉ねぎやチョコレートなど、わんちゃんが食べてはいけないものとして有名な食材もありますが、「え…?コレも食べちゃダメなの?」と、あまり浸透していない食材(キシリトールやぎんなんなど)も多々あります。
そこで本記事では、わんちゃんをはじめてお迎えする方でも理解しやすいように、「食べてはいけないもの」を一覧でまとめました。また、誤飲・誤食をしてしまった場合の対処方法や注意点も徹底解説します。
愛犬の楽しみの1つであるお食事。この「楽しみ」が「苦しみ」に変わらないよう、食べてはいけないものをしっかり把握しておきましょう。
獣医師 片川優子 先生
(おおい動物病院 副院長)
麻布大学大学院獣医学研究科博士課程修了。岐阜市内の一般動物病院勤務、岐阜大学附属動物病院内科研修生を経て、愛知県一宮市におおい動物病院を開業。
認定資格・所属学会
【認定資格】
獣医学博士、2021年度ヒルズフードアドバイザープログラム修了、ロイヤルカナン栄養管理アドバイザー
【所属学会】
日本獣医学会、日本獣医皮膚科学会、日本獣医動物行動研究会、獣医アトピー・アレルギー・免疫学会
監修日:2023年6月7日
【自己紹介】生まれた時から犬がいる環境で育ち、犬が大好き。あなたの愛犬が元気に長生きできるように、心を込めて記事を作成しています(詳細プロフィールはこちら)。
【所有資格】1.SAE認定「犬の管理栄養士マスター」2.ペットフード協会認定「ペットフード販売士」3.JCSA認定「ドッグトレーナープライマリーライセンス」4.アニマルウェルネス協会認定「ペットフーディスト」
本編がはじまるよ!
愛犬が「食べてはいけないもの」一覧
わんちゃんが食べてはいけないものを、以下3つの危険度に分類してまとめました。「わんちゃんにはNGな食材」だと反射的に気付けるように、覚えてしまうのがベストです。
危険度:高(死に至る危険性あり)
わんちゃんが食べてはいけないものの中でも、特に危険な13個の食材をご紹介します。中毒を起こす可能性が高く、症状が進行すると死に至る危険性もあるため、しっかりと覚えておきましょう。
食材名または写真をクリックすると、症状や原因などが確認できますよ。
危険度:中(過剰に食べると危険)
「危険度:高」よりは緊急性が下がりますが、過剰に食べると危険な8つの食材をご紹介します。
ただし、わんちゃんごとにカラダの大きさや体質、体調は異なるため、一概に「過剰となる量」を定義できません。あえて食べさせる必要性はないので、与えないようにしましょう。
愛犬が欲しがっても「断固拒否」してね!
危険度:低(与え方次第では危険)
私たちの与え方次第では「危険」となる食材を5つご紹介します。安全に食べるためには「一手間」必要な食材もありますが、大切な愛犬の健康を守るため、惜しみなく時間をかけてあげましょう。
ぼくたちは「一手間」ができないから手伝ってね!
愛犬が「食べてはいけないもの」詳細
わんちゃんが食べてはいけないものを、1品ずつ解説します。「食べさせても良いのかな?」と迷った時は、何度も見返してみてくださいね。
【高】玉ねぎ(ネギ類)
玉ねぎに含まれる成分が、わんちゃんの赤血球を破壊してしまいます。その結果、カラダ中に酸素が行き届かず貧血を起こします。この成分は加熱しても変化しないため、調理品(玉ねぎ入りのハンバーグなど)もNG。「まさか食べないでしょ」と決めつけて、台所に転がしておかないでくださいね。
【主な症状】
嘔吐、下痢、貧血、痙攣、血尿など
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんは玉ねぎ(ネギ類)を食べてはいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【高】にら
玉ねぎ(ネギ類)と同じく、にらに含まれる成分が原因となり、重度の貧血を起こす可能性があります。誤食してから数日後、急に貧血を起こすこともありますので、「元気そうだから大丈夫だよね…?」と軽視せずに、必ず獣医さんに診察してもらいましょう。庭やお散歩コースでも見かけるため要注意。
【主な症状】
嘔吐、下痢、貧血、痙攣、血尿など
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんはにらを食べてはいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【高】にんにく
玉ねぎ(ネギ類)と同じく、にんにくに含まれる成分が原因となり、重度の貧血を起こす可能性があります。ただし、玉ねぎに含まれる有機チオ硫酸化合物の量と比べれば「少量」。とはいえ、わんちゃんごとに致死量は異なるため、少量でも危険なことには変わりありません。料理に使ったら、落としていないか必ずチェックしましょう。
【主な症状】
嘔吐、下痢、貧血、痙攣、血尿など
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんはにんにくを食べてはいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【高】ぶどう・レーズン
ぶどうやレーズンを食べると中毒を起こす可能性があります(現時点では原因となる成分は不明)。重度の場合は、急性腎障害を起こし、1日で命を落とすこともあります。ぶどうには巨峰やシャインマスカットなど様々な品種がありますが、すべてNGです(品種ごとに危険度の差があるかは判明していません)。
【主な症状】
嘔吐、下痢、腹痛、排尿量の低下など
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんはぶどう・レーズンを食べてはいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【高】キシリトール
キシリトールはインスリンの分泌を促進させます。この結果、血糖値が急激に低下し、痙攣や嘔吐、無気力、運動失調、肝障害を起こす可能性があります。キシリトールガム1粒でも危険なレベルと言われています(詳しくは「摂取量」で解説)。ガム以外にも歯磨き粉やのど飴など、身近な物に含まれているため要注意。
【摂取量】
0.1mg/kgを超えると低血糖症を、0.5mg/kgを超えると肝障害を引き起こす可能性があります。ちなみに、歯科専用のキシリトールガムには、1粒につき1.3gのキシリトールが入っています。
【主な症状】
虚脱(ぐったり)、痙攣、嘔吐、無気力、肝障害、ふらつきなど
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんはキシリトールを食べてはいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【高】チョコレート・ココア
チョコレートやココアに含まれる成分(テオブロミン)が原因で心臓に負担がかかり、突然死してしまう危険性があります。テオブロミンは「ビターチョコレート」で含有量が多く、ホワイトチョコレート、ストロベリーチョコレートでは少なめ。とはいえ、糖分や脂肪分が多いので食べさせないようにしましょう。
【主な症状】
嘔吐、下痢、痙攣、不整脈、昏睡、心不全など
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんはチョコレートを食べてはいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【高】プルーン
プルーンに含まれる成分(アミグダリン)が原因で、青酸中毒をおこす危険性があります。この成分は、主にプルーンの種や茎、葉に含まれていますが、未成熟なプルーンの場合は「果肉」にも含まれているので注意が必要です。また、カリウムの含有量が多く、高カリウム血症となる可能性もあります。
【主な症状】
下痢、嘔吐、脱水症状、呼吸困難、手足の痺れなど
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんはプルーンを食べてはいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【高】アボカド
アボカドの皮や種に含まれる成分(ペルシン)が原因で、青酸中毒を起こす可能性があります。熟したアボカドの果肉には、ペルシンがほとんど含まれないと言われていますが、大事を取って食べさせないようにしましょう。また、アボカドの種を飲み込んでしまうと、喉や腸に詰まらせてしまう危険性もあります。
【主な症状】
下痢、嘔吐、窒息、腸閉塞など
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんはアボカドを食べてはいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【高】マカダミアナッツ
マカダミアナッツを食べると中毒を起こす可能性があります(現時点では原因となる成分は不明)。約12時間以内に、さまざまな症状を起こしはじめます(「主な症状」を参照)。また、マカダミアナッツは消化されにくく、丸ごと飲み込んでしまうと腸に詰まって腸閉塞を起こす危険性があります。
【主な症状】
嘔吐、運動失調、後ろ足の麻痺、発熱、ふらつき、腸閉塞など
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんはマカダミアナッツを食べてはいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【高】ぎんなん
銀杏に含まれる成分(メチルピリドキシン)の多量摂取が原因となり、中毒をおこす可能性があります。しかし、わんちゃんごとにカラダの大きさや体質、体調も異なるため、「何粒から多量なのか」の定義が難しく正確な答えはありません。人間の子供が約7粒で中毒を起こした事例から、カラダの小さなわんちゃんは7粒以下でも中毒を起こすリスクがあると考えられます。
【主な症状】
嘔吐、下痢、痙攣、呼吸困難、めまいなど
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんはぎんなんを食べてはいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【高】わらび
生のワラビには、強い発がん性を示す成分(プタキロサイドやサイカシン)が多く含まれています。これらの成分は加熱することで失活するため、人間の場合は灰汁抜きをして食べることができます。でも、わんちゃんの場合は、少量でもひどい中毒症状を起こす可能性があるため注意が必要です。
【主な症状】
血尿、貧血、不整脈、ふらつき、発がん性など
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんはわらびを食べてはいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【高】アルコール
アルコール中毒になる可能性があります。カラダの小さなわんちゃんは、舐めただけでも死に至る危険性があります。また、アルコールを使った料理もNG(アルコールは完全に無くならず、食材にも染み込んでしまうため)。アルコールタイプのウェットティッシュを舐めるのも危険です。片付けておきましょう。
【主な症状】
下痢、嘔吐、ぐったりする、ふらふらする、意識が朦朧とするなど
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんはアルコールを飲んではいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【高】人間用の薬
人間用の薬も大変危険です。特に人間用の「解熱剤(アセトアミノフェン)」は、わんちゃんにとって毒物です。熱が高くて辛そうだとしても、絶対に服用させてはいけません。誤食を防ぐために、必ずわんちゃんが届かない場所に保管しましょう。
【主な症状】
薬によって、さまざまな中毒症状(例:腎障害や肝障害、消化器障害など)を引き起こす可能性が考えられます。
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんは人間用の薬を服用してはいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【中】ソーセージ・ハム(肉の加工食品)
肉の加工食品は、塩分が高く、さまざまな調味料が含まれています。また、脂肪も多く含まれるため、少量でも肥満の原因となります。緊急性の高い中毒症状を起こす訳ではありませんが、過剰に摂取することで健康に影響を及ぼしますので要注意です。ただし、市販されている「犬用のハム」は大丈夫。
【主な症状】
肥満、塩分過多による心不全・心疾患など
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんはソーセージ・ハム(肉の加工食品)を過剰に食べてはいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【中】イカ・タコ
生の魚介類に含まれる酵素(チアミナーゼ)は、体内のビタミンB1を破壊してしまいます。少量であれば問題ないとされていますが、「少量とはどのくらいか」の定義がありません。「これくらいなら…」と個人の判断で食べさせるのはNGです。また、噛みきれずに喉に詰まらせたり、消化不良を起こすこともあります。
【主な症状】
手足のむくみ・後ろ足の麻痺、しびれ、倦怠感、動悸、痙攣など
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんはイカ・タコを過剰に食べてはいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【中】カニ・エビ
イカ・タコと同じく、カニ・エビにもビタミンB1を破壊する酵素(チアミナーゼ)が含まれているため、多量に摂取するとビタミンB1欠乏症を起こす可能性があります。また、カニ・エビは甲殻類アレルギーの原因にもなりますので、少量でも与えない方が無難です。もし与える必要がある場合は「必ず加熱し、少量のみ」を必ず徹底しましょう。
【主な症状】
痙攣、後ろ足の麻痺、食欲不振など
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんはカニ・エビを過剰に食べてはいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【中】コーヒー・紅茶・緑茶
コーヒー・紅茶・緑茶に含まれる成分(カフェイン)を多量に摂取すると、カフェイン中毒を起こす危険性があります。カフェインレスコーヒーであっても、「ゼロ」ではないためNG。カフェインはエナジードリンクやお菓子にも含まれているため要注意。コーヒーや緑茶の飲み残しはすぐに片付けましょう。
【主な症状】
興奮、嘔吐、下痢、痙攣、失禁、不整脈など
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんはコーヒー・紅茶・緑茶を過剰に飲んではいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【中】牛乳
わんちゃんは牛乳に含まれる成分(乳糖)を分解できず、下痢や消化不良を起こす可能性があります。ミルクを与える際は、必ずわんちゃん用ミルクを選びましょう。また、牛乳アレルギーを発症するわんちゃんもいるため、要注意です。
【主な症状】
下痢、嘔吐、消化不良、脱水症状(下痢が続いた場合)
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんは牛乳を過剰に飲んではいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【中】いちじく
いちじくに含まれる成分(ソラレン、フィシン)が原因となり、中毒を起こす場合があります。ジャムやドライフルーツなどに加工してもNGです。どれくらいの量で中毒を起こすのかは判明していないため、少量であっても食べてしまったら、必ず獣医さんの診察を受けましょう。また、ラテックスアレルギーがある場合は、いちじくでもアレルギーが出る可能性があるため要注意。
【主な症状】
嘔吐、下痢、口内炎、食欲低下、よだれなど
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんはいちじくを過剰に食べてはいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【中】生卵の白身
生の卵白に含まれるタンパク質(アビジン)を大量に摂取すると、皮膚炎や成長不良を起こす可能性があります。このため、わんちゃんに生卵を食べさせる際は「黄身」のみにしましょう。なお、アビジンは熱に弱いため、加熱すれば問題なく食べることができます。加熱することで食中毒を起こすリスクも下がります。
【主な症状】
皮膚炎、成長不良など
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんは生卵の白身を過剰に食べてはいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【中】鶏の骨・魚の骨
加熱した鶏の骨を噛み砕くと、縦に鋭く裂けて胃や腸を傷つける危険性があります。また、食道に刺さる恐れもあるため、吐かせることができず、緊急手術となるケースもあります。鶏肉を与える際は、必ず骨を取り除いてあげましょう。また、わんちゃんがゴミ箱の中から見つけ出してしまうこともありますので、わんちゃんの手が届かない場所に捨てましょう。真鯛のように大きくて硬い骨なども、胃や腸を傷つける恐れがありますので要注意。
【主な症状】
腹膜炎、腸閉塞など
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんにとって鶏の骨・魚の骨は、与え方次第では危険であることを知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【低】柑橘類の皮
わんちゃんは、柑橘類(みかんやグレープフルーツなど)の「果肉」は食べても問題ありませんが、柑橘類の「皮」はNGです。なぜなら、柑橘類の皮に含まれる成分(ソラレン)が原因となり、中毒を起こす可能性があるためです。また、皮には残留農薬(防腐剤、防虫剤)や人工ワックスが付着していることもあるため要注意。
【主な症状】
嘔吐、下痢、消化不良など
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんにとって柑橘類の皮は、与え方次第では危険であることを知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【低】レバー
わんちゃんは、加熱処理(茹でたり、焼いたり)したレバーは問題なく食べられます…が、生のレバーは絶対にNG。なぜなら、食中毒の原因となる細菌や寄生虫がいる可能性があるからです。わんちゃんを介して人間に寄生虫が感染することもあります。生のレバーを買ってきた際は、わんちゃんにイタズラされる前に冷蔵庫へしまいましょう。
【主な症状】
下痢、腹痛、嘔吐など
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんにとってレバーは、与え方次第では危険であることを知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【低】香辛料
香りづけ・臭み取り用の香辛料(バジル、パセリなど)は食べても大丈夫な場合が多いですが、辛味のある香辛料(わさびや唐辛子、山椒、マスタードなど)はNG。わんちゃんが食べてしまうと、胃腸が強く刺激されて下痢・嘔吐・食欲不振を起こす可能性があります。
【主な症状】
下痢、嘔吐、食欲不振など
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんにとって香辛料は、与え方次第では危険であることを知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【低】ほうれん草
ほうれん草はに豊富な栄養が含まれている反面、尿路結石症の原因となるシュウ酸も含まれています。わんちゃんに食べさせる場合は、シュウ酸の量を少しでも減らすために、たっぷりのお湯で茹でた後、流水で洗い水分を絞るようにしましょう。ただし、完全にシュウ酸がなくなる訳ではないため、たくさん食べさせるのはNGです。
【主な症状】
おしっこが出づらくなったり、痛みを感じる
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんにとってほうれん草は、与え方次第では危険であることを知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
【低】トマトのヘタ・茎・花
完熟トマトの実の部分であれば、わんちゃんも問題なく食べられます。しかし、未熟のトマトやヘタ、茎、花、葉には「トマチン」という成分が含まれているため、中毒を起こす危険性があります。また、トマトは約94%が水分ですので、完熟トマトだとしても食べすぎると下痢をする可能性があるので要注意。
【主な症状】
下痢、嘔吐、貧血、神経症、昏睡など
【認知度】
愛犬家201名に対して「わんちゃんは未熟のトマトやヘタ・茎・花・葉を食べてはいけないと知っていましたか?」と質問した結果がこちら。
愛犬が誤飲・誤食をした場合の対処方法
愛犬が「食べてはいけないもの」を口にしてしまったら、あなたの「迅速・適切な対処」がとても大切になります。
焦っちゃいそうだな…。
その気持ちは非常にわかります。でも、愛犬を助けられるのは「あなた」だけ。「冷静沈着に」とは言いません。焦って、慌てて、泣きそうになってでも良いので、まずは以下の4点を整理しましょう。
- 本当に誤食してしまったか
- どのくらいの量を誤食したか
- 何時頃に誤食してしまったか
- 直近の食事(誤食以外)は何時頃だったか
上記4点を確認したら、動物病院に電話して状況を伝えましょう。応急処置が必要と言われた場合は指示に従い、愛犬をすぐに動物病院に連れていきましょう。
ちなみに、吐かせることになった場合は、吐きやすくするために少しドッグフードを食べさせることがあります。このため、動物病院へ電話した際に「病院へ行く前にフードを食べさせた方が良いか?フードを持参する必要はあるか?」も確認すると良いかもしれません。
だから「直近の食事(誤食以外)は何時頃だったか」を整理しておくんだね(食事した直後であれば、フードは食べなくて良いかもしれません)。
誤飲・誤食時の知っておきたい3つの注意点
愛犬が「食べてはいけないもの」を口にしてしまった場合に、知っておいて欲しい注意点を3つ解説します。
注意点1:症状は時間差で現れる場合がある
愛犬が誤飲・誤食をしてしまった場合、中毒症状は時間差(数時間後・数日後など)で現れる場合があります。このため、誤飲・誤食の直後は異変がなくても、早急に動物病院へ電話することが大切です。
異変がなくても油断は禁物です。
注意点2:自己判断で無理に吐かせない
愛犬が誤飲・誤食をしてしまった場合、「食塩水を飲ませて無理やり吐かせる」という方法がインターネット上に出回っています。しかし、食塩中毒を起こす可能性があるため、この方法は絶対にNG。
体重1kgあたり4gの食塩で致死量だと言われています。つまり、体重4kgのわんちゃんであれば16g(大さじ1杯くらい)で致死量となります。
さらに、毒性が強い薬物や、鶏の骨のように先端が尖っている可能性があるものを吐かせると、食道を傷つけてしまう恐れがあります。万が一のことがあったら取り返しがつきませんよね。
自己判断で吐かせようとせず、必ず獣医さんに相談しましょう。
注意点3:根拠のない情報を鵜呑みにしない
世の中には「昔は玉ねぎ入りの味噌汁を犬に食べさせていた。だから、食べさせても大丈夫」など、根拠のない情報がたくさん出回っています。昔は「常識」でも今は「非常識」な情報はたくさんあります。
わんちゃんをはじめてお迎えした方であれば、疑わずに信じてしまいますよね。あなたが正しい情報を取捨選択して、大切な愛犬を守ってあげてくださいね。
本記事は犬の管理栄養士である僕が執筆し、獣医師さんに監修していただいていますので安心してくださいね。
愛犬が届く場所に食べてはいけないものを置かない!
今回は、わんちゃんが食べてはいけないものについて解説しました。要点をまとめますね。
- 食べてはいけないものを口にすると死に至る危険性がある
- 迅速に状況を把握して必ず動物病院へ電話(指示に従い受診)
- 症状は「時間差」で現れることがあるため油断しない
愛犬が「食べてはいけないもの」一覧を見ていただければわかるように、人間は問題なく食べられても、わんちゃんにはNGな食べ物はたくさんあります。しかも、身近な食べ物ばかり。
大切な愛犬を誤飲・誤食から守るために、「愛犬が届く範囲に食べてはいけないものを置かない」「食べられるか自信がない場合は必ず調べる」を徹底しましょう。
ぼくたちは「食べてはいけないもの」がわからないから手助けしてね!
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